宿直とは違うので注意
夜勤と宿直は「夜間に働く」という点では同じですが、意味は全然違います。宿直の本来の意味や夜勤との違いは何か、しっかりと把握しなければ損してしまいます。
夜間に泊まりがけで勤務する「宿直」
夜勤と混同されやすい宿直ですが、宿直とは職場に泊まり込み、人手が少ない夜間に緊急事態が発生したら対処していくことです。主な業務は決められた時間に施設を巡回し、待機しながらかかってきた電話に対応したり、責任者に連絡したりすることです。「何かあった時の当番」なので排泄介助などの通常業務はしません。緊急事態にならない限り、睡眠時間も確保されています。
「賃金は同じような業務者の一日の3分の1以下の賃金にしてはいけない」「宿直の割当ては週に一回まで」「睡眠が取れるように設備を整えておくこと」と条件が明確に定められています。
宿直は法定労働時間「外」の勤務
夜勤は一日8時間、週40時間以内、と法定労働時間が定められており、食事の準備や介助、排泄介助といった通常業務を行います。少ない人数で日勤と同じような業務を行うため精神的にも体力的にも負担が大きくなります。そのため、22時~5時までの深夜時間帯は深夜手当がつきます。労働時間が長いため、休憩や仮眠の時間が確保されていますが、その時間は労働時間に含まれていません。一方、宿直は法定労働時間外の勤務となるため、通常業務は課されていません。
意味が曖昧になっている職場が多い
「夜勤」と「宿直」はそれぞれ意味が異なります。しかし、同じような意味として捉えている人も多く、曖昧なままに勤務体制を組んでいる施設もあります。夜勤を宿直とカウントするような施設ならすぐに退職することをおすすめしますが、残念なことに夜勤並みに業務を行っているのに宿直扱いにしている施設も少なくありません。
法定労働時間外の宿直は、休日や深夜の割増し賃金に関する規定が適用されません。夜勤明けは「夜勤として働いた労働日」なので休日ではなく勤務日となりますが、宿直明けは休日として換算されます。例えば、月曜日の夜から火曜日の朝まで勤務したとしましょう。夜勤の場合は月曜日と火曜日はどちらも勤務日として換算されます。火曜日の朝に退勤しても勤務日としてみなされるため、休日には換算されず、翌日水曜日が休日となるケースがほとんどです。ですが、宿直の場合は月曜日から火曜日の朝まで出勤しても、火曜日は休日として換算されます。水曜日は休日にならないため、通常通り出勤します。
このように、夜勤か宿直かどうかによって給与や休日が大きく変わってきます。働き始めてから「話が違う」ということがないように、しっかりと確認しておきましょう。
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夜勤専従で働くこともできる
しっかりとお休みを確保しつつも十分な報酬を得たいのであれば「夜勤専従」という働き方もあります。夜勤シフトを専門とし、昼間は自由に行動できるため、Wワークをしたい人やプライベートを充実させたい人から人気のある勤務形態です。